ベトナム人の方が取得される配偶者ビザ・短期ビザについて
更新日時:2020年6月21日
行政書士 佐久間毅
短期ビザについて
ベトナムは、日本の査証免除国ではありませんので、たとえ短期間であってもベトナム人の方が日本に入国する場合には査証(ビザ)を取得する必要があります。
査証(ビザ)とは、在外公館(外務省)が発給する入国推薦状のようなもので、これがあるからといって必ず入国できることが保証されるわけでは無いのですが(最終的には空港・海港で入国審査官が判断します)、逆にこれが貼られたパスポートを所持していないと、日本に入国することはできないとされています。
どこに申請するの?
短期のビザは、日本の国内にある入国管理局は関係がありません。直接、在ベトナム日本大使館に申請をすることとなります。
この場合、日本側で用意する書類は、日本で日本人配偶者が準備をしてお相手に郵送することとなります。この日本側で準備する書面の中では、滞在予定表や招へい理由書などが重要ですので慎重に作成する必要があります。
許可の難易度とその理由は?
率直に言って、安易に申請すれば不許可になります。アルファサポート行政書士事務所にも、ご自身で自力で申請をされて不許可になり、慌ててご相談にお見えになる方も多いです。
一度不許可になりますと、ルール上、6箇月は同じ目的でのビザの申請ができなくなりますのでその点も注意が必要です。
審査が厳しい理由は多々ありますが、そのひとつは人身取引(人身売買)を防ぐ目的もあります。
時折ニュースにもなりますのでご承知の方も多いかと思いますが、ベトナムやフィリピンなどの若い女性が、興行ビザや短期ビザなどを取得して日本にやってくるものの、日本で不法に就労するケースが多くあります。この中には、ご本人が自主的に行っているものもありますが、中にはブローカーなどに半ば脅迫される形で日本にやってくる方もいます。
特に、興行ビザの審査基準が厳しくなってからは短期ビザで偽装的に入国するケースが増加しているため、短期ビザの審査はとても厳しくなっている状況です。
面接はありますか?
これは査証官の判断で決まりますので、必ずあるものでもなく絶対にないものでもありません。許可・不許可の決定に、ご本人と面談する必要があると査証官が判断した場合には面接があります。また面談まで行かなくてもご本人に電話がかかってくることもあります。
いずれにせよ、面接が設定された場合は日本での滞在目的が疑われていることを意味していますので慎重に対応しましょう。
配偶者ビザ(結婚ビザ)について
ベトナム人のご結婚相手が、日本で長期的に結婚生活を送るために必要な
のが配偶者ビザ(正式な呼称は、在留資格「日本人の配偶者等」といいま
す)です。
どこに申請するの?
在留資格「日本人の配偶者等」を取得するための在留資格申請は、入国管理局に対して行います。
許可の難易度とその理由は?
配偶者ビザは、数ある在留資格の中でも最も審査が厳しい在留資格のひとつです。その理由は、偽装結婚の横行なのですが、なぜ偽装結婚が多いのかというと、配偶者ビザの魅力にあるといえます。配偶者ビザを取得した人は、日本で自由に就労することができ、職種に制限がありません。例えば、今の日本では、工場で単純労働することができる就労ビザというものはないのですが、配偶者ビザの所有者は、工場でも自由に働くことができます。
■この記事を書いた人
行政書士 佐久間毅(さくま・たけし)
東京都出身。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒。高校在学中に米国コロラド州のイートンでホームステイ。大学在学中は、他大学である上智大学の国際法の権威、故・山本草二教授の授業に通い詰める。大学卒業後は民間の金融機関で8年間を過ごし、現在は東京・六本木でビザ専門のアルファサポート・行政書士事務所を開業。専門は入管法、国籍法。